プロフィールムービーなどの映像は、結婚式に欠かせない演出ですよね。
最近では、パソコンやスマホで簡単に動画編集ができるソフトやアプリもたくさんあり、ムービーを自作する人も多いです。
しかし、結婚式ムービーには特有のルールや様々な注意点があり、それらを知っておかないと必ず失敗します。
「結婚式直前にやっと完成した自信作のムービーが、会場から作り直しを指示されてしまった…」
というのは、結構よくあることなんです。
この記事では、私がプランナーをしていた時にお客様にお伝えしていた、
ムービー自作の際の注意点や、実際に失敗する人が多かったポイントをまとめました。
初めてムービー作成する人だけでなく、動画編集に慣れている人でも知っておくべき情報です。
制作に入る前に絶対読んでください!
結婚式ムービーを作る前に知っておくべき事
まず、ムービーを自作する前に知っておくべき前提を紹介します。
持ち込み料の確認
会場を通さずに自分で手配したアイテムを、結婚式や披露宴で使うことを『持ち込み』と言います。
映像演出に関しては、ほとんどの会場が持ち込み料や、プロジェクターなど機材の使用料を設定しています。
高額な持ち込み料を設定しており、手作りを持ち込みするよりも制作を依頼した方が安くあがる、なんてこともあります。
そもそも、映像の持ち込みは禁止している会場もあります。
作成を始める前に必ず会場に確認しましょう!
著作権問題
映像内では、企業やブランドのロゴ、有名人の写真などは使わないようにしましょう。
ブランドや商品のロゴ、有名人の写真などを勝手に映像内に入れ込むと、
著作権や肖像権の違反となる場合があります!
また映像内で使用する曲も、著作権フリーの曲であれば問題ありませんが、そうでない場合は要注意です。
BGM入りの映像を作成し、許可なく結婚式で上映すると、複製権の違反になります。
複製許可の申請は、JASRACのホームページから手続きができます。
会場が手続きの代行業者に登録している場合もありますので、一度会場に確認してみるといいでしょう。
無音の映像を作ってCDの原盤と一緒に流すのであれば、複製権の侵害にはあたりません。
申請手続きが面倒、申請にかかる費用を節約したい、という方はこの方法も考えてみては。
しかし映像と曲がズレるリスクもありますので、注意が必要です。
映像演出の種類
披露宴で上映するムービーは、
写真の種類や上映タイミングによっていくつかの種類に分けられます。
オープニングムービー
新郎新婦の入場直前に流す映像です。
新郎新婦からの挨拶や、入場を盛り上げる効果があります。
1-2分ほどの短めの映像にすると良いでしょう。
プロフィールムービー
2人が生まれてから、出会って結婚に至るまでをゲストに紹介する映像で、披露宴の前半や中座中に流します。
新郎新婦それぞれの子供時代→出会ってからの2人、という構成で作られる事が多いです。
尺が長めになりがちですが、長くても7分以内に収めた方がいいです。
理由は後で説明します。
生い立ち映像
プロフィールムービーと混同しがちですが、こちらはご両親に感謝を伝えるサンクスムービーです。
披露宴終盤で新婦が手紙を読む前に流したり、映像にメッセージをのせて手紙朗読の代わりにする人もいます。
2人が生まれた時から子供時代の写真をメインに、しっとりとした曲にのせて作ります。
エンドムービー
新郎新婦退場後に流す映像です。
動画や写真にのせて参列ゲストの名前をエンドロールのように流すエンドロールムービーが人気です。
当日に撮影した映像を、披露宴中に即席編集して流す『撮って出しエンドロール』というムービーもあります。
これを自作するのは難しいので、撮って出しエンドロールを希望する場合はプロに依頼しましょう。
結婚式ムービーのルール
長くても7分以内に収める
自作ムービーの場合、使いたい写真が多く、ついつい長い映像になってしまいがちです。
「小・中・高・大学すべての時代の写真を使わなければいけない」とか
「新婦は高校時代の写真があるのに新郎はない」
とかいうことはそこまで気にしなくて大丈夫なので、
長くても7分以内に収めましょう!
その理由は2つあります。
料理が冷めてしまうから
上映中は会場が暗転し、多くのゲストは食事の手を止めてスクリーンに注目します。
披露宴はコース料理のことが多いのですが、
大人数の料理を一斉に出すことと、お開きの時間が決まっていることもあって、
まだ食べ終わっていなくても次の料理が出されます。
映像に集中していて食事の手が止まってしまい、映像終了後、気が付いたらテーブル上にたくさんのお料理が並んでおり、冷めてしまったお料理を大急ぎで食べる…というのはよくある話です。
「まだ食べていないのにお皿を下げられてしまった!」という話もよく聞きます。
ゲストにとって、料理の満足度は結婚式の満足度に直結します。
できるだけおいしい状態でゆっくりと食事をしてもらうためにも、長い映像は避けましょう。
ゲストが飽きてしまうから
結婚式には、老若男女様々な世代のゲストが参列します。
映像が長すぎると、途中で飽きてしまう方もいるでしょう。
作り手が、『少し物足りないかな』と思うぐらいの長さの方が、
ゲストにとってはちょうど良いと感じるものになりますよ。
ムービーは多くても3本まで
披露宴で映像演出を用意する場合、多くても3本までにした方が良いです。
理由は2つあります。
メリハリのある披露宴にするため
披露宴の時間は2時間や2時間半と決まっています。
その限られた時間の中で、
映像以外にも様々な演出や歓談の時間を挟むことによって、メリハリのある披露宴となります。
映像1本当たりの長さにもよりますが、
映像ばかりが続くと、単調な披露宴となってしまいます。
歓談の時間を確保するため
披露宴では歓談の時間が非常に重要です。
なぜかというと、歓談の時間にゲストはお手洗いに立ったり、
新郎新婦と会話をしたり写真を撮ったりするからです。
前にも述べましたが、披露宴の時間は決まっているので、
やりたい事をすべて詰め込んだ演出盛りだくさんの披露宴では、歓談の時間を確保することが難しくなります。
そのような披露宴では、新郎新婦は満足だったとしても、ゲストとしては、
「もっと新郎新婦としゃべりたかったなぁ~」とか、
「新婦と一緒に撮った写真が全然ない…」と残念な気持ちになってしまいます。
タイミングがないからと言って、他のゲストがスピーチをしている途中にも関わらず、メインテーブルに出てきてお酌をしたり写真を撮ったりするゲストもいます。
そのようなことにならないよう、歓談の時間はしっかり取るべきです。
歓談の時間を確保できるよう、ムービーの本数も多くならないようにしましょう。
友人余興で映像を用意していないか確認
友人が映像を使った余興を考えてくれていることもあります。
ゲームやクイズでムービーを併用するパターンもありますが、
メッセージビデオのように、映像のみの余興をされる方も多いです。
新郎友人からメッセージビデオ、
新婦友人からもメッセージビデオ、
さらに新郎新婦の用意した映像演出もあると、
ゲストは「またムービーか…」と飽きてしまいますよね。
余興の内容は当日までお二人には内緒にしておきたい、というご友人が多いので、直接確認するのは難しいかもしれません。
しかし、ご友人とプランナーがやり取りをしていることもあります。
映像余興かどうかだけでも、プランナーに確認してみてはいかがでしょうか。
ご友人がせっかく準備してくれているので、断るのは良くないですが、
ムービーばっかりの披露宴になりそうであれば、
自分たちの用意した映像は二次会にまわすというのも一つの手です。
アスペクト比を確認する
映像のアスペクト比(縦横の比率)が合ってないと、スクリーン上で余白ができたり、画面の上下が切れてしまったりします。
多くの場合、アスペクト比は4:3か16:9です。
会場に確認をしてから作成に取り掛かるようにしましょう。
文字に句読点はつけない
結婚式で使用する印刷物などの文章では、句読点は使用しない、というルールがあります。
切れる、途切れるという意味合いがあって縁起が悪いとされるからです。
映像中にメッセージを入れる時も、句読点は避けて文章を作りましょう。
人の顔に文字がかぶらないようにする
映像にゲストの写真を使うこともあると思いますが、
その際はゲストの顔に文字がかぶらないようにしましょう。
自分の写真がでてくると嬉しいものですが、その顔に文字がかぶっているとあまりいい気分ではありませんよね。
映像にコメントやメッセージを入れる場合は十分注意してください。
曲の歌詞に注意する
映像に使用するBGMを選曲する際、歌詞に注意しましょう。
別れを連想させるような曲は避けるた方がいいです。
新郎新婦は気にしなくとも、気になるゲストがいるかもしれません。
よっぽどの理由がない限りは、縁起の悪い曲は避けた方がベターです。
DVDプレイヤーで再生できる形式に書き込む
動画ファイルが完成したら、DVD-Video規格で正しく書き込みを行いましょう。
自作ムービーで一番多いトラブルは、
『書き込み形式が間違っている』ことです。
データとしてDVDに保存しただけでは、プレイヤーで再生できませんので注意!
拡張子がmp4やmovのものは、動画データファイルです。
MPEG2やMPEG4形式であれば、多くのDVDプレーヤーで再生できます。
動画編集ソフトだけでは書き込みまでできず、書き込み専用ソフトが必要な場合もあります。
無料版があるライティングソフトもありますので、探してみてください。
なお、書き込みの際の解像度は『720×480』が一般的です。
映像ごとにディスクを分ける
オープニングムービーとプロフィール映像など、複数のムービーを作る場合、
同じディスクに焼きこむのではなく、それぞれ1枚ずつ別々のディスクに作成しましょう。
1枚のディスクに何本も映像が入っていると、
オープニングムービーを流すタイミングで間違ってプロフィール映像が流れてしまったり、
オープニングムービー終了後に続けてプロフィール映像が流れてしまう、
というトラブルが発生することもあります。
必ず、1枚のディスクに1本のムービーを焼いてください。
メニュー画面は作らない
上映の際、スクリーンにメニュー画面が映し出されるのを防ぐために、メニュー画面は作らない方がいいです。
動画編集が完成して、書き込みソフトでDVDに焼きこむ時にメニュー画面を設定できますので、
メニュー画面なしで作成しましょう。
事前に会場で再生確認
ムービーが完成し、DVDに正しく書き込みができたら、必ず会場で再生確認をしましょう。
その際のチェックポイントを紹介します!
- 再生できるか
- 途中で音や映像が途切れていないか
- 文字は切れていないか
- 音質は悪くないか
可能であれば、実際の会場で立ち合って再生チェックするといいです。
立ち合いが難しい場合は、プランナーに上記項目を伝えてしっかりチェックしてもらいましょう。
自作ムービーはトラブルが多いため、持ち込み期日を早めに設定している会場もあります。
遅くとも2週間前までには、一度再生チェックをしてください。
まとめ
今は手軽に映像作成できるソフトがたくさんあるので、結婚式ムービーを自作する方もたくさんいます。
ですが、制作には結構な時間と労力がかかります。
制作が間に合わず、直前になって「やっぱり業者にお願いします!」という方もたくさんいます。
ですが、直前の申し込みは特急料金がかかる場合もあります。
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業者さんにお願いしようか迷っている方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか?
計画的に取り掛かり、ポイントを押さえて新郎新婦もゲストも納得のムービーを作ってくださいね。