結婚式に招待するゲストをリストアップする際、
親族をどこまで呼べばいいのか、線引きがわからなくて悩む人も多いようです。
「姉の旦那さんのご両親は呼んだほうがいい?」
と、招待すべきか迷ってしまうような間柄の親族がいたり、
「いとこがたくさんいるけど、全員呼んでも大丈夫?」
「新郎側と新婦側で、親族の人数が全然違うけどいいのかな?」
など、人数に関係する悩みもあると思います。
この記事では、そんな悩みを解決していきます。
親族と親戚・親類の違い
結婚式では、『親族紹介』や『親族控室』など、
親戚関係にあるゲストのことを『親族』と呼ぶことが多いです。
似たような言葉で、『親戚』や『親類』という言葉がありますが、何が違うのでしょうか。
まず、『親族』についてみてみましょう。
民法では以下のように定められています。
次に掲げる者は、親族とする。
- 一 六親等内の血族
- 二 配偶者
- 三 三親等内の姻族
- 引用元:wikibooks
次に、『親戚』について。
範囲や間柄を制限するような法律はありませんが、言葉の意味としては次のようなものです。
しん‐せき【親戚】
血縁や婚姻によって結びつきのある人。親類。
→親類[用法]
つまり、『親類』と『親戚』とは同じ意味で、その範囲について法律で定められてはいません。
結婚式では『親族』という言葉を用いますが、
『親戚』や『親類』と同じ意味合いで使っています。
実際に招待するゲストについても、
民法で定められる『親族』の範囲に縛られる必要はありません。
一般的にはどこまで呼ぶのか
では先輩カップルたちは、実際にどこまでの親戚関係のゲストを招待しているのでしょう?
地域や家によって違いはありますが、一般的な招待範囲を説明します。
一緒に住んでいる家族は必ず呼ぶ
親や兄弟・姉妹、祖父母など、一緒に住んでいる家族は、
よほどの理由がない限り必ず参列します。
家族は、招待される側ではなく、新郎新婦と同じ主催者側の立場です。
兄弟姉妹とその配偶者、子供
既に結婚している兄弟・姉妹がいる場合、
その配偶者や子供も一緒に、家族で招待することがほとんどです。
子供が小さい場合は、
リングボーイ・リングガールやトレーンベアラー、フラワーボーイ・フラワーガールなど
演出に参加してもらうとかわいいですし、和やかな挙式になりますよ。
祖父母、曾祖父母は体調を考慮
新郎新婦のおじいちゃん、おばあちゃんも、基本的には参列されることが多いです。
しかし高齢のことも多く、
特に遠方にお住まいの場合は、移動が体力的な負担になるので招待しない、というケースもよくあります。
体調や移動距離、移動手段を考えて、
両親やおじいちゃん、おばあちゃんと相談して決めるといいでしょう。
伯父伯母・叔父叔母
本人から見て、親の兄弟姉妹とその配偶者にあたる
伯父伯母(叔父叔母)は招待するケースが多いです。
親の兄夫婦や姉夫婦は伯父・伯母、
親の弟夫婦や妹夫婦は叔父・叔母です。
席次表で肩書を記載する時には気を付けましょう。
いとこ
いとこを招待するかどうかは分かれるところです。
伯父伯母(叔父叔母)の子供にあたるので、家族で招待するというパターンもありますし、
子供の時はよく遊んだが、大人になってからは疎遠になっているので、招待しないという人もいます。
いとこまで呼ぶと全体の人数が多くなってしまうので招待しない、ということもよくあります。
招待すべきか迷う間柄
では、招待すべきかどうか迷ってしまうような間柄の親戚についてはどうでしょうか。
私がプランナーをしていた時に、新郎新婦様からよく相談を受けたパターンを紹介していきます。
義理の兄弟姉妹の両親
新郎新婦の、兄弟姉妹の配偶者の両親についてはどうでしょう。
例えば、新婦の姉のご主人のご両親などです。
招待しないケースが多いですが、
ご近所にお住まいでよくお会いする、
普段からお付き合いも頻繁で仲良くしている、
いつも何かとお世話になっている、
などの理由から招待するという人もいます。
いとこが多い場合
いとこは招待することも多いですが、全員呼ぶと人数が多くなりすぎてしまうこともありますよね。
もちろん、たくさんのいとこを全員招待して賑やかに過ごす披露宴もよくあります。
久しぶりにいとこ大集合ということで、とても楽しそうです。
理由があって全員を招待することは難しい場合は、
普段のお付き合いの頻度から考えて、招待するいとこを選びましょう。
ただ、同じいとこでも、姉は招待するのに妹は招待しないなど、
いとこの兄弟姉妹で招待する人としない人がいることは避けましょう。
また、同じくらい仲の良いいとこが数人いる場合は、
その中の一人だけを招待するのも控えた方がいいでしょう。
「あの子は招待されたのに……」と気分を害する人が出てくることもあります。
もし、招待されたがっている人がいるのに、会場の規模や費用面で招待するのが難しい場合は、
理由を説明して納得してもらいましょう。
親のいとこや祖父母の兄弟
地域によっては、親のいとこや、祖父母の兄弟を招待する場合もあります。
これは、本人との関係性というよりも、家同士のお付き合いによるものです。
昔の結婚式は、新郎新婦よりも両家の親の意見で進められ、
個人のつながりよりも家同士のつながりを重視するものでした。
そのため、祖父母や曾祖父母、それ以前の代からの親族関係にある人を招待していました。
その名残から、地方によっては今でも、新郎新婦にとっては遠い親戚と思える人でも、
本家や分家の家長として招待することがあります。
それが、父のいとこであったり、祖父母の兄弟だったりするのでしょう。
新郎新婦本人にとってはあまり付き合いがなく、招待することが不思議に思えるかもしれませんが、
ご両親が招待すべきというのなら従っておいた方が無難です。
呼ぶか呼ばないか、線引きの基準
ここまで一般的な招待範囲について説明してきましたが、
実際に招待するかどうか迷った時は、どのように選んだらよいでしょうか?
招待するかしないかを迷った際の、線引きの基準について説明していきます。
付き合いの頻度
普段から仲が良く、付き合いも頻繁にあるようであれば、招待した方が良いでしょう。
逆に、招待すべきか迷うような間柄でも、
疎遠になっている人は招待しないということが多いです。
親の意見
親族のリストアップに関しては、親の意見が重要になってきます。
家柄や地域柄、親戚づきあいについては、
新郎新婦本人よりも親御さんの方がよくご存知だからです。
招待する親族を新郎新婦の独断で決めて、それが原因で後々トラブルになることのないように、
親御さんに相談して決めることをおすすめします。
親族間での前例
招待するかどうか迷ったときに、
「他の親族の結婚式ではどうだったか」という、
親族間での前例を元にして考える人も多いです。
「いとこの結婚式の時にあの人を招待していたから、自分の結婚式の時も招待しよう」
など、先に結婚式を挙げた親族はどうしていたかを参考にすると、
親族間で波風立つこともないでしょう。
ただ、その時と現在で状況が変わっている場合もあります。
妊娠中だったり、遠方に転居していたりと、相手の状況が変わっている時は特に配慮が必要です。
招待してもいいかどうか、相手に聞いてみてから招待状を送るようにしましょう。
結婚式の規模
予定している結婚式の規模によっても、招待する親族の範囲は変わってきます。
小規模(50名以下)の結婚式の場合
小規模でアットホームな結婚式を考えているのであれば、招待する親族の人数も抑えることになります。
例えば、ゲスト人数が50名の結婚式の場合、
親や兄弟、祖父母と伯父伯母だけでも、新郎側新婦側合わせると人数は20名前後になり、
仕事関係や友人を招待することも考えると、その他の親族は招待できなくなってしまいますよね。
もし、参列したがっているのに招待できない親族がいる場合は、
会場の大きさなどを理由にして丁寧に説明しておきましょう。
中規模(50名~80名)の結婚式の場合
50名~80名程の中規模の結婚式であれば、
いとこをプラスしても、親族・仕事関係・友人をバランスよく招待することができるでしょう。
実際に行われる結婚式は、この中規模の結婚式が一番多いです。
大規模(80名以上)の結婚式の場合
80名以上の大規模な結婚式になると、
各時代ごとの友人や学生時代の恩師など、お世話になった方々を広く招待することができます。
親族も、いとこやその家族など大勢呼ぶことができ、にぎやかな披露宴になるでしょう。
親族をたくさん呼ぶとどうなるか
では、友人や来賓に比べて親族の割合が多いと、どのような結婚式になるのでしょうか。
厳かな結婚式になる
親族の割合が多い結婚式は、厳かな雰囲気になります。
逆に、友人や職場関係のゲストが多いと、カジュアルでアットホームな結婚式になります。
しかし、
アットホームな結婚式にしたいからといって、親族の人数を無理に増やしたり減らしたりすることは難しいですから、
友人や仕事関係のゲストの人数を増やすなどして、割合を調整しましょう。
ご祝儀の平均額が増える
招待する親族が増えると、頂けるご祝儀の額が増えます。
友人や仕事関係のゲストに比べて、親族は包む額が多いからです。
友人や仕事関係のゲストから頂くご祝儀の相場は3万円です。
それに対して親族から頂くご祝儀の相場は、地域柄やその人の年齢、関係性にもよりますが、
大体3万円から10万円です。
ご夫婦や家族で招待する場合は、一世帯として包まれるので、少し上乗せされることもあります。
その為、親族を多く招待すると、もらえるご祝儀の額が多くなるのです。
しかし、招待人数が増えると、当然用意するお料理や引出物の数量も増えますので、
ご祝儀の額が増えると言っても、必ず自己負担額が減るということではありません。
よくある悩み
ここからは、親族ゲストのリストアップに関して、
新郎新婦様からよく質問を受けた悩みについてお答えしていきます。
呼びたい親族を全員招待すると、新婦側は親族がとても多くなり、
親族の少ない新郎側とのバランスが悪くなっちゃう…
なおみーゆ
新郎側と新婦側で親族の人数が違うのは当然のこと。全然気にする必要ナシ!
もし、全体のゲスト人数の新郎新婦差が気になるようなら、友人や仕事関係のゲストで調整しましょう。
いとこが何人もいるけど、呼ぶ人と呼ばない人がいてもいいの?
なおみーゆ
仲の良さを基準に選んでOK!
招待しないいとこやその親(伯父伯母)には、
「本当はいとこ全員呼びたいんだけど、会場があまり広くないから全員は呼べなくて…。いとこの代表として〇〇ちゃんに参列してもらおうと思っているの。」
などと伝えておきましょう。
相手の結婚式には招待されたけど、自分のときには招待しないってアリ?
なおみーゆ
相手の結婚式に招待されたなら、自分の結婚式の時はその方を招待するのが自然ですが、できない場合は丁寧に理由を説明して納得してもらいましょう。
「人数の関係で招待できない」とか、
「新郎側(相手側)の仕事関係のゲストをたくさん呼ばないといけないので、親族は人数を減らすことになった。」など、
本当は招待したいけど、事情があって招待できないということをしっかり伝えておきましょう。
伝える時期としては、招待状発送前、他の親族に結婚式のことを伝えるタイミングがいいですよ。
なおみーゆ
配偶者や子供も一緒に招待することが多いです。
しかし、人数が増えすぎて困る…という理由から、家族ではなくお一人で招待することもあります。
その場合は、
「本当はご家族で招待したいんだけど、人数の都合で〇〇くんだけしか招待できなくてごめんね。」など、理由を説明してお伝えしておきましょう。
招待できない方には、
納得いく理由を説明+気遣いの言葉を忘れずに!
まとめ
いかがでしたか?
結婚式に招待する親族について、どの関係性の親族まで呼ぶことが多いのかや、線引きの基準などを紹介してきましたが、
もともと、親族ゲスト選びにルールや明確な線引きはありません。
新郎新婦が招待したいと思うゲストに参列してもらうのが一番良いと思います。
しかし、今後の親戚づきあいのことも考えると、親の意見も重要です。
もし、親の意見を優先してお二人の意見を曲げることになった場合でも、
招待する人、招待したいけどできない人、みなさんに配慮を忘れないように対応しましょう。
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